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公認会計士・税理士 萩谷孝男事務所

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2024年10月26日(土)

キャッシュフロー分析には型と質がある

 顧問先に対して的確なアドバイスを提供するためには、キャッシュフロー分析が欠かせないことは理解できます。しかし、キャッシュフロー分析と一口に言っても、「型」と「質」の両方を理解し、適切に使い分けることが、真に価値ある助言へとつながるのです。
 例えば、型の分析では、営業キャッシュフローが常にプラスを目指すべきであり、投資キャッシュフローや財務キャッシュフローがどのような理由でプラスかマイナスになったかという点も重要です。これは、事業の運営状況を大まかに把握するには有効な方法です。しかし、利益が出ているからといって必ずしも手元に現金が残るとは限らず、単に型だけの分析では、実際に「利益がどれだけ現金化されているか」を判断することが難しいのです。
営業キャッシュフローがプラスであっても、その要因は利益プラス減価償却戻しと取引条件に分けられます。
 取引条件とは、取引先との関係で、売掛金の回収条件や在庫の手持ち金額によるキャッシュの増減のことです。
 利益プラス減価償却戻しによるキャッシュ増ならば利益がお金になっていると考えられますが、取引条件であれば相手があるので簡単に良くすることはできません。
 そこで、質の分析が必要となります。質の分析には、「アクルーアル比率」や「自由資金比率」といった指標が重要な役割を果たします。これらの指標を使うことで、キャッシュフローの健全性や持続可能性をより深く掘り下げ、単に数字の動きだけでなく、その裏にある実際の事業活動を正確に評価することが可能になります。
 つまり、型と質の両方を組み合わせることで、キャッシュフローをより立体的に把握し、経営状況をより的確に判断することができるのです。顧問先に対して、こうした深い分析を提供することは、信頼を得る大きな武器となり、税理士や公認会計士としての信頼性をさらに高めることでしょう。
 キャッシュフロー見える化シートは、型と質の分析を中心に経営安全率や自己資本比率を分析し、総合的な評価ができます。

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