常総市の地域バーチャルタウン(事業者情報):常総アッとタウン

公認会計士・税理士 萩谷孝男事務所

QR-Code
最新情報 rss

2024年11月23日(土)

キャッシュフロー改善方法は「利益を出すこと」だけで十分か?

税理士や公認会計士の先生方、顧問先から「キャッシュフローを改善するためには、利益を増やせばいいんですよね?」と質問されたことはありませんか?
 この問いに対する答えは一見シンプルですが、実際には「利益を増やすことだけでは十分ではない」と説明する必要があります。その理由と具体的な対策について解説します。

1.利益だけでは不十分な理由
 営業キャッシュフローは「税引後利益+減価償却費戻し」と「取引条件」の影響で成り立っています。そのため、利益が増加したとしても、売掛金の回収や在庫管理などの取引条件が悪化していれば、実際のキャッシュフローは厳しいままです。したがって、キャッシュフローを本質的に改善するには、利益に加えて「取引条件の見直し」や「減価償却費戻しの計画的活用」が欠かせません。

2.減価償却費戻しと将来の設備投資計画を考慮
 減価償却費戻しは、帳簿上は経費として計上されるものの、実際には現金の流出を伴わないため、営業キャッシュフローをプラスにする要素となります。この戻し分を活用して設備投資に備えることが重要です。
 しかし、無計画な設備投資はキャッシュフローに大きな負担を与えます。将来の投資計画を立て、減価償却費戻しを適切に積み立てておくことで、借入金への依存を減らし、健全なキャッシュフロー経営を実現できます。

3.利益を上げるための具体的なアプローチ
 利益を上げることも、キャッシュフロー改善の重要な一環です。そのための具体策として次のポイントを押さえましょう。

○人件費以外の経費を削減
 人件費を無理に削減すると従業員のモチベーション低下を招く可能性があるため、まずは固定費や変動費の見直しから取り組みます。無駄な支出を排除し、効率的な経費管理を目指しましょう。
○粗利率の高い業種での単価アップと売上数量の増加
 粗利率が高い業種では、単価アップや販売数量の増加が急激な利益増加につながります。顧問先の業種に応じた販売戦略を提案することで、売上と利益の向上を同時に達成できます。
○営業キャッシュフローの取引条件を常に有利に
 売掛金の早期回収や在庫圧縮、買掛金の支払い条件延長など、取引条件の改善を検討します。こうした取り組みはキャッシュフローの改善に直結し、利益だけに頼らない資金管理を可能にします。

4.キャッシュフロー見える化シートの活用で具体策を可視化
エクセル版「キャッシュフロー見える化シート」を活用することで、税引後利益、減価償却費戻し、取引条件など、キャッシュフローの構成要素をわかりやすく顧問先に示すことができます。このツールは、顧問先が数字の意味を直感的に理解し、具体的な改善策を共有するための強力なサポートツールとなります。

公認会計士・税理士 萩谷孝男事務所

〒 303-0031 茨城県常総市水海道山田町4567番地

関東鉄道水海道駅から徒歩5分
営業日は土日・祭日を除く朝9時から夕方6時まで

駐車場あり

TEL 0297-22-2357  FAX 0297-22-2359