税理士・公認会計士の先生方、顧問先から「人件費を削減しないで労働分配率を改善する方法はないか?」と相談を受けた経験はありませんか?
人件費の削減は一時的なコスト削減にはなるものの、従業員のモチベーション低下を招く可能性が高く、結果的に業績悪化を引き起こすリスクがあります。それでは、労働分配率を上げるにはどのような方法があるのでしょうか?
1.業種によって異なる粗利率を理解する まず、業種ごとに粗利率が異なる点に注目する必要があります。例えば、サービス業は粗利率が高い一方で、卸売業のような業種は粗利率が低い傾向にあります。この違いを把握したうえで、顧問先のビジネスモデルに応じたアドバイスが重要です。
2.粗利額は労働分配率の分母になる労働分配率の計算式は以下の通りです労働分配率(%) = 人件費÷粗利額×100 粗利額が増加すれば、労働分配率は自然と改善されます。つまり、労働分配率を高めるためには、分母である「粗利額」を増やすことが基本となります。
3.粗利額を増やすには粗利額を増やす方法は、業種によって異なります。 粗利率の高い業種(サービス業など)は変動費の影響が少ないため、売上が上がるとそのまま粗利額の増加につながります。この業種では、顧客単価を上げる事と、新規顧客を増やす施策はほぼ同じ効果があります。 粗利率の低い業種(卸売業など)は売上が増加しても、変動費の割合が大きく利益に直結しにくい場合があります。この業種では、仕入れコストの見直しや顧客単価を上げる事や新規顧客を増やす事のほか、物流効率の改善が鍵となります。
4.人件費を削らずにモチベーションを高める 人件費を理由なく減らすことは避けるべきです。従業員のモチベーションが低下すると、業務効率が落ち、最終的に粗利額が減少する可能性があります。その代わりに、以下のような工夫を考えてみてはいかがでしょうか。○成果主義の導入-結果を出した従業員を優先的に昇給や賞与で還元することで、やる気を引き出す。 ○チームインセンティブ-個人だけでなく、チーム全体の成果に基づく報酬制度を導入する。
5.キャッシュフロー見える化で効果を確認 顧問先に具体的な改善提案を行う際には、「エクセル版キャッシュフロー見える化シート」を活用するのが効果的です。このツールを使えば、売上・粗利額・人件費の変化がキャッシュフローにどう影響するかを視覚的に示すことができます。さらに、労働分配率のシミュレーションを行い、どの施策が経営にとって最適かを経営者と一緒に検討することが可能です。
〒 303-0031 茨城県常総市水海道山田町4567番地関東鉄道水海道駅から徒歩5分営業日は土日・祭日を除く朝9時から夕方6時まで駐車場あり
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税理士・公認会計士の先生方、顧問先から「人件費を削減しないで労働分配率を改善する方法はないか?」と相談を受けた経験はありませんか?
人件費の削減は一時的なコスト削減にはなるものの、従業員のモチベーション低下を招く可能性が高く、結果的に業績悪化を引き起こすリスクがあります。それでは、労働分配率を上げるにはどのような方法があるのでしょうか?
1.業種によって異なる粗利率を理解する
まず、業種ごとに粗利率が異なる点に注目する必要があります。例えば、サービス業は粗利率が高い一方で、卸売業のような業種は粗利率が低い傾向にあります。この違いを把握したうえで、顧問先のビジネスモデルに応じたアドバイスが重要です。
2.粗利額は労働分配率の分母になる
労働分配率の計算式は以下の通りです
労働分配率(%) = 人件費÷粗利額×100
粗利額が増加すれば、労働分配率は自然と改善されます。つまり、労働分配率を高めるためには、分母である「粗利額」を増やすことが基本となります。
3.粗利額を増やすには
粗利額を増やす方法は、業種によって異なります。
粗利率の高い業種(サービス業など)は変動費の影響が少ないため、売上が上がるとそのまま粗利額の増加につながります。この業種では、顧客単価を上げる事と、新規顧客を増やす施策はほぼ同じ効果があります。
粗利率の低い業種(卸売業など)は売上が増加しても、変動費の割合が大きく利益に直結しにくい場合があります。この業種では、仕入れコストの見直しや顧客単価を上げる事や新規顧客を増やす事のほか、物流効率の改善が鍵となります。
4.人件費を削らずにモチベーションを高める
人件費を理由なく減らすことは避けるべきです。従業員のモチベーションが低下すると、業務効率が落ち、最終的に粗利額が減少する可能性があります。その代わりに、以下のような工夫を考えてみてはいかがでしょうか。
○成果主義の導入-結果を出した従業員を優先的に昇給や賞与で還元することで、やる気を引き出す。
○チームインセンティブ-個人だけでなく、チーム全体の成果に基づく報酬制度を導入する。
5.キャッシュフロー見える化で効果を確認
顧問先に具体的な改善提案を行う際には、「エクセル版キャッシュフロー見える化シート」を活用するのが効果的です。このツールを使えば、売上・粗利額・人件費の変化がキャッシュフローにどう影響するかを視覚的に示すことができます。さらに、労働分配率のシミュレーションを行い、どの施策が経営にとって最適かを経営者と一緒に検討することが可能です。