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公認会計士・税理士 萩谷孝男事務所

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2024年11月21日(木)

アクルーアル比率で何がわかるのか?

 キャッシュフロー経営をサポートする先生方にとって、顧問先の財務状況を深く理解することは不可欠です。その際に役立つ指標の一つが、「アクルーアル比率」です。この指標を活用することで、損益計算書に記載された「利益」と実際のキャッシュフローの間にどれだけ乖離があるかを測ることができます。

1. アクルーアル比率の計算式
アクルーアル比率は以下の式で計算されます
アクルーアル比率 = {(当期純利益 + 特別損失 – 特別利益) – 営業CF}÷総資産
この式から、利益がどの程度キャッシュとして実現されているか、あるいは帳簿上だけの利益として存在しているのかがわかります。

2.営業キャッシュフローとの関係
 アクルーアル比率は、営業キャッシュフローとの比較からも大きなヒントを得られます。 営業キャッシュフローは、「損益+減価償却戻し」と、「売掛金や在庫の増減」といった取引条件の影響を受けます。例えば、売掛金が増加すれば帳簿上の利益は増えるものの、キャッシュフローには反映されません。これがアクルーアル比率に影響を与えるのです。

3.アクルーアル比率の目安
 一般的に、アクルーアル比率の平均値は -1.3%(ザイマニ統計指標)程度とされています。この数値が大きくプラスに偏っている場合、帳簿上の利益が実現可能なキャッシュに結びついていない可能性が高く、資金繰りの悪化を招くリスクがあります。

4.アクルーアル比率を活用するメリット
 アクルーアル比率を活用することで、顧問先の実際の財務状況をより正確に把握し、キャッシュフローの健全性を測ることができます。また、この指標を基に、取引条件や売掛金・在庫の管理を見直す具体的な改善策を提案することも可能です。
 顧問先に「帳簿上の利益」と「実際の現金」の関係性と計算式の意味を理解してもらい、キャッシュフロー経営を実践するための具体的なアプローチを提案できると思います。

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