公認会計士・税理士　萩谷孝男事務所

小規模事業者にとって、営業キャッシュフローの管理は資金繰りの安定に直結します。損益計算の観点で見ると、利益があっても現金が不足するケースが少なくありません。このようなケースで、小規模事業者は銀行借入をする傾向があります。
　その前にまず、営業キャッシュフローは、税引後利益＋減価償却戻しと取引条件によって成り立っていることを理解してください。
　税引後利益と減価償却戻しの増加は、現金を手元に残すために重要な要素であり、運転資金を増やすためには、粗利益を増加させることと、固定費をしっかりとコントロールすることが効果的です。
　さらに、営業キャッシュフローを改善するには、取引条件の見直しも不可欠です。具体的には、売掛金の早期回収や在庫の圧縮、立替金や仮払金の早期精算といったアプローチが効果的です。これにより、帳簿上の利益が実際の現金として手元に残りやすくなります。
　まずは顧問先の取引条件をチェックしてみてください。取引条件が改善されるだけで、資金繰りが安定し、日常的なキャッシュフローの質も向上する可能性が高まります。
　財務コンサルタントは、結果がすぐに出やすいので最初に取引条件の見直しから始めます。
　このような方針で営業キャッシュフローの重要性を顧問先に伝えると、税理士の先生方は指導しやすいのではないでしょうか。