公認会計士・税理士　萩谷孝男事務所

キャッシュフロー経営において、大型投資を数年後に控える場合は、今からどのように備えるべきかを考えることが重要です。このような場合、事前のキャッシュフロー管理が将来の資金繰りに大きな影響を与えるため、適切な準備を行うことが鍵となります。
　まず、営業キャッシュフローは、可能な限り事前にプラスを続けるように努力することが重要です。営業キャッシュフローが安定してプラスであれば、将来の大型投資に備えて余裕資金を確保しやすくなります。
　また、将来のキャッシュフローを考えるうえでは、後に回せる投資を見直し、急ぎでない投資は先送りにすることで資金の流出を抑える工夫も有効です。特に、投資が営業に直接影響しない場合には、無理に実行せずタイミングを慎重に判断することが望ましいのです。
　さらに、大型投資に備えるには財務キャッシュフローの選択も重要です。資金を外部から調達する場合、長期借入金と社債発行のどちらが適しているかを検討します。借入金や社債の条件に応じて、会社に最も負担の少ない方法を選び、計画的な返済が可能な財務戦略を立てることが肝心です。
　最後に、今後の備えとして、繰越資金を常に増やす努力をすることが、安定したキャッシュフローの確保に直結します。日々の営業活動で生み出されたキャッシュフローが堅実に蓄積されていれば、突然の資金需要にも対応しやすく、会社経営も安定します。