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公認会計士・税理士 萩谷孝男事務所

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2024年11月04日(月)

営業キャッシュフローを分解すると

顧問先のキャッシュフロー経営を支援する際、単に利益を見るだけでは、実際の資金状況を正確に把握することはできません。そこで有効なのが、営業キャッシュフローを分解して、その内容を詳しく見ていく方法です。このアプローチを用いることで、損益計算書だけでは見えてこない資金の増減の理由が浮き彫りになります。
 まず、営業キャッシュフローを分解すると、いくつかの重要な要素に分けられます。一つ目は「損益からの資金の増減」で、営業活動での利益がどれだけ実際のキャッシュに変わったかを見る部分です。二つ目は「取引条件として、売掛金・在庫・買掛金からの資金の増減」です。これらの変動は、帳簿上の利益が現金化されるまでのスピードに大きな影響を与えます。たとえば、売掛金が増えれば、利益が発生していても現金が手元に残らない可能性があります。
 さらに、こうしたキャッシュフローの「質」を分析するためには、「アクルーアル比率」という指標が役立ちます。アクルーアル比率を活用することで、利益の数字がどれだけ現金化されているかというキャッシュフローの健全性が分かるのです。もしアクルーアル比率が高すぎる場合、帳簿上の利益はあっても、現金が十分に手元にない可能性があるため、資金繰りが厳しくなるリスクが考えられます。アクルーアル比率は平均-1.3%位(ザイマニより引用)ですが、限りなく0に近いほどより健全性が高いという指標です。

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